イノベーション人材育成の教育総研の岡本です。「新しい市場を創出する力」シリーズの第10回目は、タイムズ24カーシェアのビジネスモデルキャンバスです。 今回はカーシェアビジネスを展開しているタイムズ24カーシェアのビジネスモデルキャンバスを考えてみましょう。カーシェアは車には乗るけれども車を持たない層が増えているのに着目して広がりつつあります。近くの駐車場にカーシェア用の駐車スペースや車があるのを見かけられた方も多いのではないかと思います。タイムズ24はこのトレンドに注目し早期からカーシェアビジネスに取り組んでいます。
タイムズ24 カーシェアリング「タイムズカープラス」
http://plus.timescar.jp/lp/li01001/?gclid=CIK58IDt7ccCFcSUvQod9rkBOg
タイムズ24は47都道府県全てに駐車場を保有しておりその数約16,000ヶ所。拠点の数が多いという事ですから、駐車場と駐車場を結べば移動できる可能性は広がるという事ですね。カーシェアは借りた駐車場と同じところに戻さなくても、タイムズ24の駐車場であればどこでもいいので、駐車場が多いというメリットは大きいです。現在は7,000ヶ所の駐車場がカーシェアに対応しています。今後も増えるものと予想されます。また駐車場はご存じのように現金を取り扱いますから、セキュリティ設備や料金管理システム、空きスペース管理システムなどITを駆使したネットワーク情報管理システムが構築されています。ということは今どこの駐車場がどれだけ空いているかという情報がリアルタイムに察知できます。これがカーシェアビジネスのリソースの原点になっています。タイムズ24はすでにカーシェア用に約60万台の車を保有しています。
仕組みは会員制になっており、15分単位で車を借りることが出来ます。従来のレンタカーが半日もしくは一日単位であったことを考えれば顧客の利便性は飛躍的に高まったと言えるでしょう。会員は基本料金と15分単位の使用料を毎月指定口座から引き落とされるだけ。スマホアプリが充実しているので、出先で車を借りることもOKですし、乳幼児を抱えたお母さん、足腰の弱い方の送迎など、ちょっと車が入用の時に便利です。スマホアプリでは検索機能や空車案内など顧客視点に立ったシステムがバージョンアップされています。
ITを有効に活用することで少額であっても利用者数・利用回数が増えてもコスト上昇少なくその差額で収益を上げていくのがロングテールへの対応です。そういう面ではタイムズ24のカーシェアビジネスは安定収入を得る考え方としてロングテールに対応したビジネスモデルになっていると言えるでしょう。
このように考えると所有していても使用するのは年に数回という費用対効果の悪いと考えられるもののシェアビジネスは車に限らず可能性があるという事になりますね。また新しいビジネスのヒントが出来ました。