リブセンスのビジネスモデルキャンバス



イノベーション人材育成の教育総研の岡本です。「新しい市場を創出する力」シリーズの第9回目は、リブセンスのビジネスモデルキャンバスです。 今回はネット求人広告のリブセンスのビジネスモデルキャンバスを考えてみましょう。求人広告の分野はリクルートモデルと言われる求人広告誌に有料で広告を掲載し無料で大量に配布するというビジネスモデルがスタンダードなものでした。求人が来るようなコピーライティングやレイアウトを制作会社が行いその企画制作及び広告掲載料を求人側の会社が払うというものです。常時、求人がある会社はこれでいいのですが、欠員補充や若干名の採用をしたい多くの中小企業の場合は応募があるかどうか、あるいは応募があったとしても採用に至るかどうかわかならい中で数十万円の経費を拠出するのは費用対効果の面で納得しがたいものがありました。

リブセンスは紙媒体は一切手をつけないかわりに、すべてオンラインでの求人広告を運営しています。しかもリブセンスのひな形に入力してチェックを受ければ自動的に掲載OK。掲載に関しては費用は一切かかりません。応募があり面接をして採用に至って初めて広告掲載料が請求されます。成果報酬型のビジネスモデルと言えます。従来の求人広告には掲載料がかかるといういわば秩序を破壊したと言えるのです。

ビジネスモデルキャンバスでは、成果報酬型求人広告で掲載無料と言う価値を提案し、この価値をもっとも受け入れ易い時々求人が発生する中小企業を顧客セグメントとし、ネット広告での認知活動を行い、顧客接点関係の出来た顧客には会員として必要な求人情報の提供を行って良好な関係を維持しています。このような価値を生み出す源泉となっているのは高度なネットリテラシーを持ったスタッフであり、様々なオンラインサービスを開発して後発を寄せ付けず、最新のインターネットメディアとの協力関係も維持しています。

スタッフ育成やシステム構築に費用をかけるとともに、固定型求人広告よりも高い成果報酬で安定収益を保っています。今後のビジネスの大きな流れとして費用対効果がサービス購入の要因となっていますので、これからはこのように無料で一気に多くの見込み客を集めて成果(効果)が上がった時点で報酬を得るという成果報酬型ビジネスモデルが台頭してくるものと思われます。