イノベーション人材育成の教育総研の岡本です。「新しい市場を創出する力」シリーズの第11回目は、テレマーケティング会社のビジネスモデルキャンバスです。 今回はここ数年増加しているテレマーケティング代行会社のビジネスモデルキャンバスを考えてみましょう。
テレマーケティングは企業に代わって電話対応を代行するビジネスです。大きくインバウンド型とアウトバウンド型があります。インバウンド型はユーザーからの雑多な問合せに対して事前に発注企業と取り決めたスクリプト(台本)に基づいて対応するものです。企業のヘルプデスクや苦情相談窓口、テクニカルサポート、注文受付代行などが具体的なものです。アウトバウンド型は顧客リストに基づいて販路開拓を行うものが多いです。またすでにご購入いただいているユーザーに対してグレードの高い商品をお勧めするアップセル、ご購入いただいた商品に関連する商品をお勧めするクロスセルなどもあります。今後はインターネットの浸透により、インサイドセールスという対面を必要としないメールや電話での非対面営業の比率が、特に新規開拓では多くなってくるものと思われますので、テレマーケティング市場は成長していく可能性が大きいと思われます。
テレマケのコスト構造は、アウトバウンドに対応できる法人データベースの質量のメンテナンス管理コストが大きいでしょう。そしてそれを効果的に活かすコールスタッフの研修育成コストです。テレマケの運営自体は大量のコールスタッフによる人海戦術ですので、仕事の戻りやトラブル処理などに時間を掛けない効率的な運営が利益を産み出します。
収益はインバウンド型であればワンブース(席)月160時間単位での収入、アウトバウンド型であれば荷電リスト数に応じた固定収入となります。したがって、取り扱い件数が増えれば損益分岐点を
越えて利幅が増加する仕組みになっています。
キーパートナーとしてはコンサルティング会社が大きなウエイトを占めてくるでしょう。テレマケ自体は電話応対サービスの代行ビジネスですが、実際は営業プロセスのアウトソーシングビジネスになります。したがって顧客の業種業態ごとに営業プロセスを要素分解してもっとも効率的な仕組みを構築していくことが求められます。営業支援系のコンサルティング会社と連携することでテレマケサービスの優位性を築いていく事になります。
ビジネスは常に変化への対応を求められ、継続したリソースの充実に努めることが欠かせません。ビジネスモデルキャンバスはどこに投資の重きを置けばよいかと言う知見を与えてくれるものでもあります。ビジネスモデルキャンバスの活用の幅をぜひ広げていってください。