リーンスタートアップ




イノベーション人材育成の教育総研の岡本です。「新しい市場を創出する力」シリーズの第5回目は、リーンスタートアップです。 ビジネスをスタートさせる時に必要なものでもっとも欠かせないものはやはり資金でしょう。スタートアップ時はいい商品やサービスをつくることに専念していてどうやって売っていくかということや初期の資金繰り・運転資金について考えていないことが多いと思います。また本当にその商品やサービスが受入れられるのかについても、市場の意見を聞きながら開発に取り入れているかと言うと、実際は自分たちの情熱と思い込みで憑りつかれた様に開発しているというのが実態ではないかと思います。そして時間が経っていき気がつくと資金が枯渇して生活にも困るというようなことが繰り広げられています。技術も素晴らしい、情熱もある、スタッフもそろっている。それでも結果は資金不足による開発の断念。これはスタートアップの方法論に問題があるのです。

リーンスタートアップと言う概念がその答えを出してくれます。

リーンスタートアップ エリック・ソース著 日経BP社
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97-%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B9/dp/4822248976/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1441573741&sr=8-1&keywords=%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97

もともとは生産工程でムダを省くリーン生産方式を基に考えられたものです。リーン生産方式そのものはトヨタ自動車のカンバン方式などの効率的生産システムをマサチューセッツ工科大学が体系化したものです。この概念を事業開発のプロセスに再定義したものです。

リーンスタートアップの中核をなしているのは「ビジネスモデルキャンバス」です。市場調査に何ヶ月もかけるのではなく、まずこれはという仮説を事業の成功要因である九つの要因について一枚の紙に図解します。全体の関係性や具体性が見えてくればOKです。このビジネスモデルキャンバスは本当によく出来ています。何が良く出来ているかと言うと必要な要因が明確である事と、要因の配置がしっかりと意味を持っていることです。仮説をビジネスモデルキャンバスに図解することが最初のポイントです。


もう一つは市場から明確なフィードバックを受けられるような見えるカタチをつくることです。見えるカタチとは、最低限使用できる製品や場合によっては試作品やサンプル、それが難しい場合は詳しい企画書を作成して市場からの意見を早く集めるのです。この最低限使用できる製品をミニマムバイアブルプロダクツ(MVP)と言います。



三つ目は市場開発と並行して商品開発を進めることです。市場からのフィードバックを受けて、市場開発と歩調を合わせて商品開発やサービス開発を進めていくのです。これをアジャイル開発と言います。近年のソフト開発の現場では実践されていっています。

このような取り組みにより贅肉をそぎ落とした事業開発手法であるリーンスタートアップで市場に最初に参入する一番手になるのです。