教育総研‘s EYE【ドローン活用編】

「未来のリーダーを育成する」教育総研‘s EYE
~イノベーションの芽を感じる【ドローン活用編】~

SOMPOホールディングス傘下の住宅改修会社フレッシュハウスはドローンとスマートグラスを組み合わせて戸建て屋根点検サービスを5月から開始した。
作業員が眼鏡型端末スマートグラスをかけながらドローンの操作もできるというもので様々な点からこの業界における課題解消にインパクトがありそうだ。

この新サービスは「見える化」と「人材不足解消」に大きく貢献するものと思われる。
まず、「見える化」については、従来より屋根改修工事やそれに伴う点検作業が「見えない」ため顧客の信用を得ることが難しく、トラブルの原因になっていた。しかし映像を顧客に見てもらうことによって「安心感」や「納得感」を得ることに大きく貢献することが考えられる。
次に「人材不足解消」の点では、作業員の高齢化が大きな課題となっていた。厚生労働省によると、16年度は年間846件の事故が発生し、そのうち40件が死亡事故とされている。これには職人の経験不足や高齢化が影響すると考えられる。そもそも高所作業が減少すれば防げる事故が多いのであれば、高所作業の経験や素養が無くてもできる作業ということになる。しかも、ドローンとスマートグラスを組み合わせることによって作業員が1名でできるということは職人不足の課題解消に大きく貢献するものになる。作業時間も大幅に短縮できるため、生産性にも好影響が想定される。

それでも課題はあるだろう。このサービスを広めるには一定の期間ドローン操作習得に費やすことが必要であろうし、現役の経験豊富な職人には習得が困難で、新しい人員が必要になるかもしれない。一人で作業すれば見落としやミスも発生しやすくなる。

新しいサービスを生みだせば、新しい課題も生まれてくる。それでも「やってみる」ことが大きな意味を持つのではないだろうか。

教育総研では地方創生のためのイノベーション人材を育成するために各地でセミナーを
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